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「梅枝」の煉香5種

雀百まで踊り忘れず

例によって尻に火がつかないと動けないタチで、イベント前日に源氏物語(田辺聖子の新源氏物語)を読み出す、しかも第32帖「梅枝」だけという。
それで大急ぎで拵えたのが写真の5種の煉香。


「梅枝」では、娘明石の姫君の裳着(女子の成人式)のお祝いにと、源氏が4人の女性に香の調合を依頼しています。自分ももちろん調合していて、当時の貴族ってなんていうかヒマなの?ヒマ=雅なの?と思ってしまうような流れなのですが、歌も詠め、香の調合もでき、あとは何してたんだろうと少しずつ興味も湧きつつあります。

さて、では当時の煉香はどうやって再現するか、というと。
なんとレシピ集があるんですね〜。
その名も「薫集類抄(くんじゅうるいしょう)」。平安時代の薫物(煉香)があっれこれ記されたものです。
いうならばクックパッド。
人気メニューはあるのですが、それの作り方、材料レシピがひとによってさまざまなわけです。
じゃあ「梅枝」で源氏が作った[侍従]はどのレシピか??紫の上の[梅花]はどれ?…と、その判別に迷いました。
せめて、ゆっくり吟味する時間があれば、もっと納得のいくものができたかも知れないけれど、なんたって急ごしらえですからねぇ…汗。
梅花なんて、紫の上の調合そのものが載ってるわけではないので、本文の「現代的で斬新」云々をどう捉えていいものやら、分からなく。しかも今手に入らないものを使っている可能性もあり、仕方ないので参考レシピから麝香を霊猫香に変えてみたり、酸っぱい香原料を足してみたり、あげくは赤い色(食紅ですが)を付けてみたりしたけど、まぁ失敗ですね。

…と、そんな感じでハードルをあげる実験、今後の課題がみつかったという点では評価高いです!!個人的には!

土佐光起筆『源氏物語画帖』より「若紫」

源氏物語ってなんなん?

いや、習いましたよ学生時代。国語で、古典文学で。
紫式部ですよ、あさきゆめみしですよ。
う〜ん、お香司さん方々には常識なんでございましょうかね?
でもハッキリ言わせていただきますと、私、源氏物語のどこが面白いのかわかりません。
「いずれの御時にか」で始まることくらいで、あとはだいたいの内容、「光源氏と彼をとりまく何人もの人々の平安恋愛事情」みたいなもんと把握しているにとどまります。
その認識でいいのか?!
この際なので、ミニ文化祭で当方ブースに来たひとを掴まえたら、源氏物語について教えてもらおうかと思っています。

世の中には、源氏物語に詳しいひと、好きな人たくさんいるみたいです。
今回この企画を始めるにあたって、田辺聖子の「新源氏物語」上中下をKindleで購入し、「薫物」とか「香り」関係の単語でサーチして、盛り込まれていることは確認しました。
が、その先になかなか進めず_。恋愛ものと思うと、食指動かず…。

それならばと、「十二単を着た悪魔」という弘徽殿女御と現代からタイムスリップした陰陽師をモチーフにした映画をプライムで観たりはしました。映画は映画なので、源氏物語とは違いますね。

ま、その時代の貴族たちが好んでいた空薫物のレシピはあるので、それに基づいて煉香は作ります。

源氏物語を読んでいても、その香りを嗅いだことはないかも知れませんよね!
なので、シメシメと(違う!!)遠い時代に思いを馳せながら、香りを楽しんでいってもらえればと思います。

Wikiでも貼っておこう!
源氏物語

いたばしCBミニ文化祭チラシ

もはや2022年もあとちょっと。

なんということでしょう!これだから三日坊主は…。
せっかくブログというか公式サイトがあるのに更新しないと意味ないです。
今年度ずっと更新なしですよ。いろいろワークショップやらせて頂いたのに。

というわけで、心を入れ替えて(とか言いながら全然自分を信用できないですが)今後は更新をマメにしていきます!さて、直前のご案内。いたばしCBミニ文化祭に昨年につづき今年も出展いたします。
いたばしCBミニ文化祭

スパイスを使ったオリジナルの匂い袋づくりのワークショップ(1個300円)と、今年は自らのハードルを上げて、源氏物語の煉香の再現をします。こちらは香りを聞いていただくのみですが。
ハードルを上げる_別の言い方をすると自分で自分の首を締めるというか…とにかくヤバイということだけ、現時点、当日を明後日に控えた現時点でお伝えしておきましょう!

いたばしCBミニ文化祭は、中板橋から歩くと20分くらいの元ボローニャ図書館があったところ「いたばし総合ボランティアセンター」で開催。主催はNPO法人いたばしCBプラットフォーム、お世話になっております。

当日の状況は追ってまた投稿…すると思います。

いたばしCBミニ文化祭内容チラシ
いたばしCBミニ文化祭チラシ2
桜型文香

今度は小学生以上対象の体験教室

一昨日の土曜日に「におい袋づくり体験教室」を行ってきました。
タイトル通り、小学生以上が対象ですので大人の方もご参加くださり、にぎやかに(終始マスクですが)進行。
内容的には昨年末のWSとほぼ同じ。
基本の6種のスパイスに、葉っぱ2種、それに草(ハーブ)を1種加えた中から甘辛調合していくところからスタートです。

自分の鼻をたよりに「甘い」「辛い」香りを目指してブレンドしていく作業、一発勝負でうまくいくとは限らず難しいかも知れません。普段はそれこそ料理のスパイスとしての立ち位置の香原料(スパイス)ですが、それを主役にして嗅ぎ分けることは、集中力も要りますし、正解が見えているわけでもなく、新鮮な刺激なのではないかと私は思います。
前回より参加人数が増えたこともあり、全員がお互いに調合した匂いを聞く時間をもたせられなかったのは残念です。

さて、今回初の試みとして、巾着型の布袋以外に四面体になる袋を用意しました。
この形、かわいくて良いのですが現場でどう閉じるかが問題!
表からかがり縫いをして閉じるのが定番ですが、それはムリ!なので考えましたよ〜。
で、こんな状態になるようにして問題は一応クリア。布用テープで貼っただけなので耐久性は不安要素ですけど。

オマケの文香と四面体匂い袋

写真手前3つはオマケの文香。奥のが四面体におい袋。
四面体は可愛いけれど、結構現場で完成させるのは苦戦します。
でも皆さん上手にできてました!

次回はどうしようかなぁ…。

甘辛合戦用くじ

やって来ました!小学生向け匂い袋づくりワークショップ

去る12月25日クリスマスの日、小学生約10人に向けて匂い袋づくりワークショップを行いました。「約10名」なのは、おひとり保護者の方も入られているので(笑)。

いや〜!面白かった!!…香司のワタシ自らが言っていいのかどうかわからないけど、私にはとても楽しかったです。またしても気づいたことあり。
前回、板橋ミニ文化祭では、スパイスのみで意外に良い香りを作れること、こどもはスパイスの匂いを臭がること、紐でくくるのが苦手なひとが多いこと…が発見。
今回は、また違う発見がありましたよ!

それにしても、うきうきワクワクのクリスマスの日に、ワークショップに来てくれるなんて、なんて有り難いんでしょう?!それだけでも感謝に値します。
そのうえ、今回のお子さんが素晴らしく優秀!…前回のお子さんが悪いとかいうことではなく、今回のお子さんがずば抜けてすごかったんだと思い返しています。

ざっくり言うと、「自分で試してみる」ことがすんなりできる下地があった。
目の前にわけわからない物質(特に今回はスパイスの名称を伏せて、A〜Fとだけ書かれた容器)を混ぜ合わせて「さあ、自分の鼻を頼りに、甘い香り・辛い香りを作ってみよー!」ですよ。
「どうすればいいの?」とか「わからないから教えて」という声がなかったのが不思議なくらい。どんどん自分なりの調合をしてましたね。1年生もいたのに。
これ、本当にすごいこと。正解を知りたいんじゃなくて、自分で試したいという意思に基づいた行動を全員がしていました。秘密を明かしちゃうと、ふじみ野市のふぁいぶるクラブに属しているお子さんたちなのです。
きっと普段から、自分の頭で考える→行動するを実践しているのでしょう。

結果もお見事。1年生も6年生も各自がそれぞれ考えて鼻を利かせた調合は、ちゃんと甘い・辛いになっていました。
2つめの匂い袋は自分の好きな香りを作る。
面白いことに、好きな香りのほうが単純な香りになっていたり。
やはり私でも、自分のためにつくるとなんだかいつも同じような香りになってしまったります。今回、無理やり「甘い」と「辛い」のテーマを目指して作ってみたことが、「好き」の枠を超えて色々な香りにトライできたのかなと思いました。実際、とてもよい香りを作ったお子さんがいました。(辛さでは勝てなかったけれど)

今回のWS用の布袋
縫ったー!50個は縫ったぞ。布選びも楽しい!

WS目前でミシンが壊れたりなどアクシデントもありましたが、いや〜よかった!
無事できてよかった!楽しんでもらえたようでなによりでございます。

栞型文香
お土産にしおり型の文香を。でも…作りが雑で、中から粉でます(多分)

新年を良い香りで迎える〜部屋香〜

何だか忙しいと思ったら、もう師走も半分過ぎてるじゃないですか!
もうすぐ新年。令和四年ですよ。
…ということで、部屋香、作って参りました。
テーマは「華やぐR4!」。
鬱々とした気分は消え去って、華やかに軽やかにイキイキとした一年になりますように、との願いを込めて調香しました。

天然香原料で華やかな香りというと大茴香は外せないので、使用しています。
が、今回は合成香料も使用。合成モノは匂いがキツイのですが、尖った香りを抑えてくれる役割もあるそうです。ま、今回は甘めの調合なので尖るところはなかったのですが…。
華やかな甘さの香りにはなりました。

次回は辛めのシャキっとした調合もしよう!
部屋香は通常の匂い袋の6倍程度の香原料を使います。香料が多くなればそれだけ香りも持続・拡散します。去年作った部屋香、1年経った今でも香っています。なかなかお得な匂い袋じゃないですかね?!
ご要望あればワークショップのご用意しますよ〜!お気軽にリクエストしてください。